メビウス.35話

ウルトラマンメビウス
第35話「群青の光と影」脚本:小林雄次 監督:村石宏實

タイトルの色がいつもと違うのは今回の内容に合わせてって事で(笑)
基本的なストーリーはヒーロー物としては物凄くオーソドックスと言うか、これでもかって位ベタな“ニセ話”なんですが、昨今のヒーロー物・・・特に平成以降のウルトラのニセ話は割と変化球な物が多かったから、こんだけストレートなのは却って新鮮で面白かったです(^^)

とは言っても本当に単純にニセ話に終わる訳ではなく、そこにメビウスの本テーマとも言える“絆”や“信頼”と言ったものや、「怪獣使いの遺産」で消化不良に終わっちゃった部分を少し分かり易く問い直してみたりと、「メビウス」“らしさ”がちゃんと反映されてる辺りはさすがです。

少しまた話は逸れますが、先に書いた「メビウス」の基本テーマとも言える“絆”は「ウルトラマンネクサス」でも中核として扱われてたものですが、ダークでシリアスだった「ネクサス」に対しナチュラルで正統派な「メビウス」で、ネクサスでやり残した事を語り口を変えて問い直そうとしている気がします。
私個人は近年のウルトラの中では「ネクサス」にとても思い入れがあるのですが、それだけにどういう方向に昇華させるのかはとても注目しています。

さて話題を戻して
>メビウスVSニセツルギ
メビウスの出番としては今回はこのアバンのみで、正にこの回はウルトラマンヒカリ=セリザワ前隊長の為のお話になっています。
ちゅうか、ウルトラマン同士はテレパシーで交信できるんだから最初にミライ君がそれで確かめりゃいい訳で、わざわざ変身せんでもよかったと思うんですが、さすがに主役ヒーローの出番が全く無しと言うのはスポンサー様に「ゴルァ!」って言われちゃうからこのシーン作ったのではと(苦笑)

>ババルウ星人の陰謀
ニセのウルトラマンに化けて街を破壊するババルウ星人の目的は、ヒーローに対する信頼を失墜させるためと言う、所謂“ニセ話”としては王道中の王道で、70年代位までのニセ話はほぼ100%このパターンだったものの、余りにも王道過ぎて逆に随分長い間使われてなかったパターンでもある故、逆にインパクトあります。

どうせならメビウスにも化ければよさそうなものだとも思うんですが、ババルウ星人はどうやらヒカリに私怨があるらしい(この辺りはサイドストーリーの「ヒカリ・サーガ」に詳しいらしいけど私は未見)
ヒカリはハンターナイトツルギであった頃、ボガール殲滅の為に周りの被害や犠牲を顧みなかった過去があり、更に地球人にとって“青いウルトラマン”は馴染みがない為、ウルトラマンである事すら認識されていない側面があり、GUYSの面々以外の地球人にとってはヒカリは不信や疑念の対象である事に目をつけ、それを更に煽る事でヒカリを精神的に追い詰め、結果的にメビウスも含めた全てのウルトラマンに対する地球人のの信用失墜と信頼破壊を謀ると。
いやいやババルウ星人さん、相当に陰険で変質的で執念深くて加えて結構下品と言う、絵に描いた様な悪役ぶりを見せてくれて却って気持いい位でして、声が“アムロパパ”の人なせいか、それこそ酸素欠乏症かよと突っ込みたくなる様な喋り方が更にそれを増幅させとります(^^;

因みに地球に飛来したヒカリとババルウ星人が対峙するシーンは共に等身大ですが、今回の監督の“村石宏實”さんは「ウルトラマンティガ」以降、一部の例外を除いて担当した回で最初に“等身大ウルトラマン”出すのが恒例になってて、特に「ウルトラマンガイア」の等身大のガイアVSアグルの死闘はファンの間で語り草になる程の屈指の仕上がりになっています(機会があれば必見です!)
今回も最初に等身大ウルトラマンを登場させたのはこの人で、“やったね村石!”って感じでした(笑)

>青い身体故に・・・
またちょっと横道。
「メビウス」では青いウルトラマンが地球に現れたのはヒカリ=ツルギが最初って事になってますが、これは本作が「80」までの“昭和ウルトラ”の直結の話だから。
当時学年誌等で設定だけはあった“ブルー族”が出なかったのは、その頃の技術では青を使うと合成の時に不都合が出る為、出したくとも出せなかったって事情もあるそうな。
技術の進歩で平成ウルトラでは青いウルトラマンが出せる様になった訳ですが、最初に「ティガ」でスカイタイプが画面に出た時、動く“ブルー族”を見れた気がして喜んだファンは多いとか(^^)
しかしそんなマニアックな大人の都合なんて解らんだろう“小さいお友だち”(中には大きいお友だちも・・・)は却って混乱せんのだろうか?(^^;

人間は相手を“見た目”で判断する。
ババルウ星人のこの言葉はやっぱ「怪獣使い・・・」のテーマを意識させますね。
人間はそれほど愚かではないと信じるヒカリ=セリザワさんですが、青いウルトラマンに対する不信感を地球人に齎したのは間違いなく自分自身。
だからこそ、その汚名を返上して信頼を得る事は同じ青い身体を持つ同族達もが信頼を得る布石にもなる訳で、それはヒカリ自身がやらなければならない使命であり、贖罪でもある。
誤解や偏見が起る時にはどこかに元凶や発端になる物があり、それを解く為には双方の並々ならぬ努力や結果とか成果とかが必要になる。
今回は単純にニセモノをホンモノが倒す事で一応の解決にはなってますが、それは決して正解ではなく、可能性としての回答を導くための数式のひとつに過ぎません。
正解なんて無い事だからこそ、色々なカタチで問題定義を続けていってほしいものです。

>信じてるからこそ
セリザワさんを拘置しちゃう事に対して上層部に猛反発するGUYSの面々ですが、普通に考えればあの場合はそうせざるを得ないのは扱く当然の話(某“TLT”ならそのまま人体実験だ!(^^;)
そんなセリザワ=ヒカリに対する扱いに対し、いつになく感情的になってるミライ君に対し、いつもなら激昂して暴れてるであろうリュウさんが冷静かつ穏やかに事態を見守ってると言うちょと珍しいものが見れます(笑)
しかし、リュウが冷静でいられるのは自分で言ってる様に“宇宙一”セリザワさんの事を信頼しているからで、今ここで自分が騒ぐ事は更にセリザワを追い込む事になり、またその自身のセリザワへの信頼に自分で背く事にもなるから。
セリザワも、自力で牢獄を破ったりしないのは却って信頼を失う事になるのが分かってるからであり、先の項に書いた様に、本気で地球人の信頼を得る為にはどうすべきかを弁えてるからなんですな。

それでもババルウ星人に対する怒りや憎しみ、上層部の態度に対する不満が治まらないミライ君ですが、それも彼の若さ故って事なんでしょうが、ヒカリが地球人の信頼を勝ち取る事に自信や確信を持てたのはミライ君=メビウスがそれを自然に成し遂げていたから・・・
こう言う部分に、ウルトラで初のシリーズ半ばの“正体バレ”ってのが生かされてるのはイイと思います。
ここは今後ももっと深く、そして高く昇華させていってほしいものです。

>ヒカリVSニセツルギ~ツルギVSババルウ星人
上層部がセリザワを拘束したのは、再びニセツルギが現れた時に基地内に捕われていれば逆にそれが無実の証明になるからで、つまりそれは総官もミサキさんも最初からセリザワ=ヒカリを信じていたから。
そしてセリザワがリュウに決意を語って戦いに赴いて行くのは、リュウがセリザワを信頼する気持以上にセリザワもリュウの事を信頼してるからなのでしょう。

そして、ウルトラマンヒカリが自身と、そして“青いウルトラマン”への信頼を得る為のニセツルギとの戦いで、ニセツルギが民衆に向けて放った攻撃を身を呈して庇ったヒカリの姿と、遂に正体を暴かれたババル星人の姿を見てそれが偽者だった事を悟り、少しずつヒカリの事を信じる様になって行く人間達。
そしてそれをより確実にする為に敢えてメビウスの助っ人を拒否し、更にかつて自分を苦しめた忌わしい鎧を自らの意志で再び纏ってツルギの姿になる事で、もはや自分の心にひとかけらの曇りも迷いも無い事、自分がもう“ひとりではない”事、ツルギとてもはやかつてのツルギではない事を証明し、“青いウルトラマン”に対する信頼を遂に勝ち取るまでの流れは、王道でありながらも今回のテーマを象徴した文字通り“クライマックス”と言える仕上がりでした。
さすがだよ、村石監督(^^)

>おたっしゃで~
各々の信頼や絆を再確認し、再び飛び立って行くヒカリ・・・
なんだけど、ラストのテッペイ君のこの一言に思わず(((^▽^)))
まさか最後に君に“持っていかれる”とは思わんかった、おそるべしクゼテッペイ(笑)

メビウスから返されたナイトブレス、結局ヒカリはあのまま持ってったのだろうか?(^^;
ウルトラマンメビウス DXナイトブレス

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    Excerpt:  昨日は久しぶりに家族のネタを書いたために書けなかったメビウスの記事,今日は書こうと思います。 Weblog: よろずな独り言 racked: 2006-12-06 23:18