カブト.46

仮面ライダーカブト 46
脚本:井上敏樹 監督:長石多可男

遅ればせながら、ぼっちゃまの決着編。
いつか、ぼっちゃまにこういう日がくるのは覚悟はしておくべきだったんでしょうが、話の流れやぼっちゃまがあまりにも愛すべきキャラに成長しちゃった事から、ひょっとしたら・・・・なんて期待も少しあったんですが、やはりこうなっちゃいましたか。

尤も、実はそれこそがぼっちゃまの何よりの本分であり、望みであった事は救いでもあると同時に、だからこそ切ない訳で・・・

それでは今回のポイント

※哀しい真実
遂に、自分の正体を知ってしまったぼっちゃま・・・
これまで、断片的な回想シーンとして描かれていたものから予測された事と真実は概ね外れてはいなかった様で、姉を殺される現場を目撃した本物の神代剣をも殺害したスコルピオワームなれど、その死の瞬間の、ワームに対する深い怒りと憎しみ、姉の死に対するあまりにも大きな悲しみの感情に溢れた剣に擬態してしまった為に、ワームとしての意識と記憶を神代剣のその強烈な思念に支配されてしまった、それが現在の神代剣・・・ぼっちゃまだった訳ですな。

今の自分はこの世で最も憎むワームであり、しかも最愛の姉と自分自身すら殺したスコルピオワームそのものであると言う事実を知ってしまった・・・と言うか、思い出してしまったぼっちゃまの心は、張り裂けんばかりに乱れ、やり場のない怒りに打ち震える・・・
う~む、いつかはこういうシーンを見る時が来るとは思ってたけど、実際にみるとちょっとツライな。

※各々の想い
ぼっちゃまの正体が明るみに出た事で、取り巻く人々の想いもそれぞれ・・・

ぼっちゃまの純粋な想いに心を動かされ、惹かれ始めていた岬さんはショックも大きかった模様ですが、それでも人間としての神代剣の心に触れ、それを信じたいと思う気持に揺れ動く・・・

ぼっちゃまの正体を早くから知りながらも、その心は神代剣そのものであり、且つ自分がワームである自覚すら無い事も同時に知ってしまった加賀美君は、弟の事、マコト君の事、ひよりの事、そして田所さんの事と、最も多く人とワームの間に立たされる事が多かった事もあり、一番苦しんだろうし、一番悩んだかも知れない。
今回のラストについて、ぼっちゃまとの決着は加賀美君の役割りだろうと言う意見を幾つか見かけました。
私も最初はそう思ったけど、加賀美君はそう言った面でぼっちゃまに対する思い入れが深すぎる部分があるし、同じ様な局面を何度も味わってきた加賀美君に尚もその役割りを担わすのは少し酷にも思えます。
ただ、それを差し引いてもラストでもう少しぼっちゃまとの絡みが欲しかったとは思いますがね。

ワームである以上は倒すしかないと、冷酷にも聞こえる言葉を放つ天道君。
加賀美君が言う様に、その心が“人間・神代剣”そのものであるなら、ひよりや田所さんと同じだと言うのは、多分天道君も充分に理解している。
けれど、天道君の言う様に例えそれが事実であっても、ぼっちゃまの正体のスコルピオワームが本物の神代剣やその姉は勿論、他の人間も襲い、殺害している事もまた事実であるなら、それは倒さなければいけない存在と言うのもこれまた事実。
加賀美君の気持も、岬さんの気持も、本当は痛い程よく分かっている・・・だからこそ、ぼっちゃまとの決着は天の道を往く人である自分の役割りなのだと・・・そう考えれば、天道君もまた辛くて苦しいんですよ。

そして何よりも、じいや・・・
ぼっちゃまの正体も真実も知っていながら、その事実を隠してきた理由は、あくまでディスカビル家の再興の為・・・、一時はそう匂わせる描写も確かにありました。
いや、実際にそれもあったのかも知れないけども、その姿、その記憶、その心、全てが神代剣その人である彼は、じいやにとってはやはり子供の頃からずっと見守ってきた“ぼっちゃま”以外の何者でもなかった。
じいやが居たから、じいやが変わらずにずっと“ぼっちゃま”として接し、見守ってきたからこそ、ぼっちゃまはずっとぼっちゃまのままでいられたのかも知れません。
そのぼっちゃまに事実を隠していた事を責められのは辛いかも知れないけど、それでもじいやはぼっちゃまを大切に思い、見守ろうとしてる。
だからこそ、そのぼっちゃまが本当に望んでいる事は何かを、誰よりも早く、深く、理解してるんですよね。
それ故に、その願いを叶えてやって欲しいと天道君に頼む気持は如何なるものだったのか、そしてそれを受ける天道君の心中は、如何なるものだったのか・・・

※お兄ちゃんのクリスマスケーキ、サイコー!♥
そうか、この話クリスマス時期の放送だったんだ、ハハハハハ・・・・(^▽^;

それはいいとして(←いいのか!?(^^;)樹花ちゃんにいつまでも笑顔でいてほしいと言う願いと、ひよりが笑顔になれる世界を作る事を改めて心に誓う天道君。
多分、ここは最終章への何らかの伏線が張られてると思われます。

※俺は全てのワームの頂点に立つ男だ
ショックのあまり入水自殺!?・・・と、思わせておいてその海から戻ってきたぼっちゃまの表情は豹変・・・
自分の正体を知った以上、あの程度で死ねるとはぼっちゃま自身も思っていなかった筈で、あれはそれまでの“神代剣”を殺して生まれ変わる為。
但しそれは、ぼっちゃま自身が言う様な“ワームとして復活する為”ではなく、真の意味で“神に代わって剣を振るう者”の目的と望みを果たす為で、ワームとしてガタックに襲いかかり、それでも尚ぼっちゃまを信じようとする加賀美君に“俺は全てのワームの頂点に立つ男だ”の言葉を放った上に拉致したのも、ぼっちゃまが本気でそれをやろうとしていた故なんですな。

その一貫がW乃木に服従させる効能があるらしい毒を注入して下僕に仕立てちゃう事なんですが、そのあっけない最期と相俟って、初登場から考えたらどんどん劣化して弱くなっていっちゃいましたねぇ、この人(^^;
ちょっと、そういう意味では勿体無いキャラでした。

※ワームとは、人間とは・・・
岬さんがこの言葉を口にした瞬間、この作品が「アギト」や「555」と同質のテーマを内包してる事が確定した訳ですが、どうにもイキナリ感が拭えなかったり、前出の作品に比べて説得力に欠ける・・・と言うよりも胸に響いてこないのは、この時点でも尚ワームと言うのが如何なる存在かをちゃんと描けていないから。
尤も、だからこそ田所さんに“それを見つける為に戦っているかも”云々を語らせたのだろうけど、それを差し引いてもやはり最低限視聴者に説明しておくべき部分すら無いまま、今更“ワームって何なんですか?”って言われても、それはこっちが聞きたいよって言いたくなっちゃう(^^;

いや、敢えてそれをやらなかった事にそれなりの意図は感じるんだけど、それが上手く行ってたかって言われると、残念ながらNoと言わざるを得ない・・・
非常に勿体無いやり方しちゃったなぁと言うのが私の正直な評価です、ここは。

※俺の望みはただひとつ・・・
この回のラストで明らかになる様に、ぼっちゃまの本当の望みは全てのワームを倒す事で、その中には当然の如く自分自身も含まれている。
ぼっちゃまが乃木達を配下にして加賀美君を拉致り、各ゼクター(ホッパーが含まれてない辺りが泣ける(笑))との交換条件の人質とした事も、各地で無作為に暴れていたワーム達を一点に集めさせた事も、全てはその為にぼっちゃまが仕組んだ事。
しかし、単純にワーム達を騙しただけではその本懐に達する事は出来ない。
それを遂げる為には、自らが身も心も完全に凶悪なワームと化したと装い、本気でZECTやライダー達と戦う必要があった。

あぁ、そうか・・・
ここまで書いてて気づきましたが、ぼっちゃまが最後に戦う相手に加賀美君ではなく天道君を選んだのは、もし加賀美君なら土壇場で自分に対し神判を下す事が出来ないかも知れないのをぼっちゃまは分かっていたのかも知れないし、ぼっちゃま自身も“我が友、カ、ガ~ミン”と命懸けで戦う事は辛くて出来なかったのか知れない。
天道君がゼクターを持ってきた時、間髪入れずに加賀美君を解放したのも、ぼちゃまの加賀美君に対する友への思いからなのかも知れない。
加賀美君も優しすぎるけれど、そういう意味ではぼっちゃまも優しさを捨て切れない面がありますからねぇ。

・.・つДヽ)・.・

※もう一度光を求めてみるか
スンマセン、やっぱりやさぐれ兄弟は何考えてるんだか、何をやりたいのかがサッパリ解りません(^^;
いや、影山君の場合は堕ちて行くまでの過程が結構しっかりと描かれていた(笑)分まだマシな方で、矢車の場合は再登場の時は既に“ああなっていた”上に、そこに到るまでの経緯や更にホッパーゼクターの入手に纏わるエピソード等々がスッポリ抜け落ちたままで、妙な奇行ばかりが突出しちゃってるから、結果何がやりたいんだか解らんぞゴルァ!って事になっちゃうと(笑)

このままタダの“ヘンな人”で終わらん事を切に願う・・・イヤ、マジで(苦笑)

※乃木の最期
そうは言っても、ダブルホッパーのバトル・・・特にダブルライダージャンプでカッシスワームを宙に撃ち上げ、落下してくるところをキックとパンチの同時撃ち込みで撃破ってコンセプトは中々に燃えました。

そして分裂したもう一方の片割れもガタックに意外にアッサリ敗れ、間宮麗奈の後釜として鳴物入りで登場した強敵!・・・だった筈の乃木怜治はなんとも尻すぼみな最期を迎えた訳で・・・なんだ、この扱いの違いは(笑)

※剣との約束
ぼっちゃまの手に、加賀美君が手渡した時に捨てた筈の、自分からの贈り物のブレスレットを認めた時、岬さんはぼっちゃまはぼっちゃまのまま、神代剣の心を失っていない事を確信し、天道君に戦いをやめる様に訴える訳ですが、実はそれこそがぼっちゃまの真の願いであり、天道との約束でもあった。
だから、カブトがスコルピオワームにパーフェクトゼクターを撃ち込もうとして一瞬躊躇った時、ぼっちゃまは迷いも無くその約束・・・“全てのワームを倒す”事を果たす様に望む訳ですよ。
ぼっちゃまにとって、スコルピオワームとしてカブトに倒される事が、姉さんと自分自身を殺した憎きワームを自分の手で葬る有一の方法だから・・・

ぼっちゃまが戦いながら、その心の中で自分が計画していたミサキーヌとのデートの光景を思い浮かべながら岬さんに詫びる下りは、美しいながらもとても切なくて哀しいシーンでもあります。
そして、爆炎の後にブレスレットが転がってゆく様をスローで見せる辺りの演出は秀逸で、この辺りは文字通り“長石節”に溢れた映像だと言えます。

※ねえ、じいや・・・
ラストの屋敷に帰ったぼっちゃまとじいやのシーン。
スコルピオワームはカブトとの戦いで消し飛んだ様に描写されてるので、ここはイメージシーンとして捉えてる人も多い様ですが、理屈はともかくとしてアレは本当にぼっちゃまは最期にはじいやの元に帰って行ったんだと私は思ってます。
何故なら、ぼっちゃまが安心して眠れる場所はじいやの元以外に無いし、ぼっちゃまの眠りを見守るのもじいや以外に居ないから・・・

色々辛い事もあっただろうけど、おやすみなさいぼっちゃま。
お疲れ様でした・・・

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